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宵山万華鏡 

宵山万華鏡
森見 登美彦 (2009/07/03)
集英社

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今でははっきりと分かることだが、俺は乙川を羨ましく思っていた。
クラスから孤立するわけでもなく、かといって人気者であるわけでもなく、つねに横道に身をひそめ、あれこれ工夫を凝らして妙ないたずらに耽っている。自分という存在を吹聴する必要も感じていない。好きにやれればそれでいい。「つくづく自分に満足している」という感じがした。彼と喋っていると、軽い風がつねに吹いているような気がしたものだ。それは彼の頭に開いた天窓から吹きこむ風だ。自分のまわりにからみついているうっとうしいものが気球のように浮かび上がって、すうっと高い空へ吹き飛ばされていく。

(「宵山金魚」より)



<収録>
「宵山姉妹」
「宵山金魚」
「宵山劇場」
「宵山回廊」
「宵山迷宮」
「宵山万華鏡」
EDIT  |  15:41 |  その他(活字)  | Top↑
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