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羊男のクリスマス 

羊男のクリスマス
村上 春樹 (1989/11/08)
講談社

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「毎年音楽的才能に恵まれた羊男さんを一人選んで、聖羊上人様をお慰めするための音楽を作曲していただき、それをクリスマスの日に演奏していただくことになっているのですが、今年はめでたくあなたが選ばれたのです」

(本文より)



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螢・納屋を焼く・その他の短編 

螢・納屋を焼く・その他の短編螢・納屋を焼く・その他の短編
村上 春樹 (1987/09/25)
新潮社

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螢が消えてしまったあとでも、その光の軌跡は僕の中に長く留まっていた。目を閉じた厚い闇の中を、そのささやかな光は、まるで行き場を失った魂のように、いつまでもさまよいつづけていた。
僕は何度もそんな闇の中にそっと手をのばしてみた。指は何にも触れなかった。その小さな光は、いつも僕の指のほんの少し先にあった。

(「螢」より)



『ノルウェイの森』を読むと、どうしてもこの短編集が読みたくなる。
『螢』は『ノルウェイの森』の原作であるし、『めくらやなぎと眠る女』は『ノルウェイの森』の登場人物が出てくるから。

先ほど挙げた短編も良いけど、やはりここは表題作でもある『納屋を焼く』が光る。
これは僕個人の解釈で、少々素直過ぎる嫌いがあるかもしれないが、
「納屋を焼く」という行為は「殺人」を暗喩しているのではないだろうか。
ルックスが良く、性格も悪くなく、金があり、順風満帆な人生を送っている男。
そんな何も問題が無さそうな男でも、心の奥底では何を考えているのか分からないし、どんな闇を抱えているのか分からない。
暗く冷たい部分をさらりと春樹は出すから、余計にすっと背筋が寒くなる。
淡々としていながらも、こういう力を感じさせるのは、流石と言った所。


<収録>
・螢
・納屋を焼く
・踊る小人
・めくらやなぎと眠る女
・三つのドイツ幻想
1 冬の博物館としてのポルノグラフィー
2 ヘルマン・ゲーリング要塞 1983
3 ヘルWの空中庭園
EDIT  |  16:49 |  村上春樹  | Top↑

ノルウェイの森(下) 

ノルウェイの森(下)ノルウェイの森(下)
村上 春樹 (1987/09/10)
講談社

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「どうして?」
「“どうして”?」と緑は怒鳴った。「あなた頭おかしいんじゃないの?英語の仮定法がわかって、数列が理解できて、マルクスが読めて、なんでそんなことわかんないのよ?なんでそんなこと訊くのよ?なんでそんなこと女の子に言わせるのよ?彼よりあなたの方が好きだからにきまってるでしょ。私だってね、もっとハンサムな男の子好きになりたかったわよ。でも仕方ないでしょ、あなたのこと好きになっちゃったんだから」

(本文より)



僕にとって最高の恋愛小説だ。

「僕」と緑は最終的には付き合う。
そこに至るまで、「僕」は随分遠回りをした。
それでも、「僕」は自分自身の問題から目を逸らさなかった。
直子が自殺してしまったことにより、それは解決することは無くなったけれども。

「僕」は生き、緑も生きている。直子は死んだ。
目に見え、触れると温かいということが、どれ程素晴らしいことだろうか。
そして、どれ程力強く、愛しいか。


初めて読んだのが高校時代だった『ノルウェイの森』
年上だった「僕」を、いつの間にか僕は追い越した。
読む度に、僕は何とも言い難い思いに駆られる。
人生に於いて、いつまでも最高の小説という地位に鎮座し続けるだろう。
EDIT  |  21:50 |  村上春樹  | Top↑

ノルウェイの森(上) 

ノルウェイの森(上)ノルウェイの森(上)
村上 春樹 (1987/09/10)
講談社

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彼女の求めているのは僕の腕ではなく“誰か”の腕なのだ。
彼女の求めているのは僕の温もりではなく“誰か”の温もりなのだ。
僕が僕自身であることで、僕はなんだかうしろめたいような気持になった。

(本文より)



1年の内、何度か読み返してしまう『ノルウェイの森』
そんな不思議な魅力がある本。

静かに時は流れていくが、「僕」や直子の心は激しく動く。
どこにも行き着きそうにもない、不安定な恋愛。
それでも、「僕」も直子も出来うる限りのことをしようとした。
そこに、緑という女の子登場する。
少し変わっているが、とても魅力的な女の子だ。

直子と緑の間で、「僕」は揺れ動く。
どちらにも同じように惹かれているのだが、その感情の質が違うのだ。

ところが、直子が突然「僕」の前から姿を消す。
そこから「僕」の恋愛の物語は思いもよらない方向へと進んでいく。


物語の背景には、一貫して『死』が含まれている。
だが、死を物語の飾り付けとして描いているのではない。
悲壮、悲哀、理不尽さ、喪失を、とても強く感じる。
だからこそ、「僕」が“生きる”ということを選択した姿が強調されるんだがね。
EDIT  |  21:17 |  村上春樹  | Top↑

ダンス・ダンス・ダンス(下) 

ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)
村上 春樹 (1991/12)
講談社

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「あなたすごく良い人だったわ」と彼女は言った。
“どうして過去形で話すんだ”、と僕は思った。

(本文より)



奇妙な部屋も、「僕」の為の部屋。

“死”を通して、世界と繋がっている。
これは結構…きつい言葉だ。
誰かが死ぬ。存在が無くなる。それも、「僕」にとって大切な人が。
世界と繋がる所か、益々世界から取り残されていくように感じる。
「僕」はその感覚に、少しずつ麻痺していく。

そんな「僕」を救ってくれた「ユミヨシさん」
その「ユミヨシさん」も、“そちらの世界”に連れて行かれそうになる。
でも、「僕」は自分の力でユミヨシさんを助ける。
“そちらの世界”ではなく、「僕」の世界に留まらせる。

「僕」の世界は脆いモノかもしれない。
それでも、「僕」とユミヨシさんなら上手くやっていくだろう。
そこは「僕」の世界であり、「僕」はユミヨシさんに留まって欲しいと強く思っているのだから。
EDIT  |  17:24 |  村上春樹  | Top↑

ダンス・ダンス・ダンス(上) 

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
村上 春樹 (1991/12)
講談社
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「踊るんだよ」羊男は言った。

(本文より)



『羊をめぐる冒険』から4年、「僕」は“いるかホテル”の夢を見る。
様々なモノを失い続け、世界の何処にも繋がりを見出せない「僕」であるが、“いるかホテル”とだけは、はっきりとした繋がりを感じ取れる。
そして、僕は“いるかホテル”のある札幌を再び訪れる。

“いるかホテル”で「僕」は「ユミヨシさん」や「羊男」や「ユキ」と出会う。
“いるかホテル”の姿形はあるで変わっていたが、「僕」の為の場所である、ということには変わりはなかったのだ。

「僕」は現実に戻る為に“いるかホテル”を訪れたのだが、結局「僕」は益々奇妙な状況に追い込まれる。
それでも、「僕」は踊り続けなければならない。それも誰もが感心するくらいに。

鼠を失い、「僕」はその事実に慣れようと努力してきたが、結局「僕」の人生に大きな変化は無い。
そんな「僕」に救いはあるのだろうか。
「ユミヨシさん」や「ユキ」さえも失ってしまうのだろうか。

70年代という時代に馴染む事ができない「僕」
そんな「僕」の再生と喪失の物語。
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羊をめぐる冒険(下) 

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫) 羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)
村上 春樹 (1985/10)
講談社

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「俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさやつらさも好きだ。
夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。
どうしようもなく好きなんだ。君と飲むビールや……」
鼠はそこで言葉を呑みこんだ。

「わからないよ」

(本文より)



羊をめぐる冒険、終焉。

羊男と出会ってからの展開が好き過ぎる。
やっぱ「僕」よりも鼠が好きだわ。

鼠の抱え込んだ物。
他人から見れば些細な物かもしれない。
でも、それを放り出したくなかった。
“羊”に蹂躙されたくなかった。
そして、そうなった自分自身を「僕」に見られたくなかった。
自分の決断により、そうならずに「僕」と会えた。
それが何よりの救いだったんだろう。

「僕」はとうとう鼠を失ってしまった。
でも、「僕」と鼠はジェイズ・バーの共同経営者になった。
それも一つの救いだと思う。
EDIT  |  22:10 |  村上春樹  | Top↑

羊をめぐる冒険(上) 

羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫) 羊をめぐる冒険 (上) (講談社文庫)
村上 春樹 (1985/10)
講談社

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あるカーブはあらゆる想像をこえた大胆さで画面を一気に横切り、
あるカーブは秘密めいた細心さで一群の小さな翳を作りだし、
あるカーブは古代の壁画のように無数の伝説を描きあげていた。

(本文より)



『1973年のピンボール』から数年後、「僕」が離婚する所から物語は始まる。
「僕」は耳専門のモデルをしている女性が新しい恋人になる。
この女性が持っている耳の描写が凄い。
肉体の一部が、これほどまで誰かを惹きつける大きな力を持っているとは、と感じる程。

新しい恋人が出来、安定するかに見えた「僕」であるが、突然奇妙な話に巻き込まれていく。
「僕」が鼠から送られてきた“羊”の写真を広告に使ったことにより、ある人物から圧力を掛けられた。
この人物もまた、不思議な人物。
「僕」にはこういう人物が近寄ってくるんだよなぁw

鼠との物語上での交わりが面白い、傑作の上巻。
EDIT  |  16:33 |  村上春樹  | Top↑

1973年のピンボール 

1973年のピンボール (講談社文庫) 1973年のピンボール (講談社文庫)
村上 春樹 (1983/01)
講談社

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恐らく誇りなしに人は生きてはいけないだろう。
でもそれだけでは暗すぎる。あまりにも暗すぎる。

(本文より)



「僕」4部作、2部目。

『風の歌を聴け』から十数年後の話。
「僕」は友人と2人で翻訳会社を作り、鼠はある女と関係を持つ。

どっちも現実を生きようとしてるし、実際生きてるんだけど、やっぱり現実感が無い。
特に「僕」には、必死さ、というのが感じられないんだよなぁ。
双子の女の子との共同生活とか、働いている姿とかにさ。
鼠は自分自身のこと、ある女のことを必死に悩むから、まだ「僕」程ではないが…。

「僕」は相変わらず、ただただ失っていくばかりだなぁ。
ピンボールも双子の女の子も。
それでも、そこまで喪失感を感じてない「僕」。
…やっぱり現実感が無いw
EDIT  |  19:29 |  村上春樹  | Top↑

風の歌を聴け 

風の歌を聴け 風の歌を聴け
村上 春樹 (1982/07)
講談社

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「嘘つき!」

(本文より)



村上春樹、デビュー作。

「僕」4部作の第一作目である本作は、155ページという薄さと、春樹の軽い文体によって1時間くらいで読める。

ある夏、地元に帰ってきた「僕」は「左手の指が4本しかない女の子」と出会う。
初めはどこかぎくしゃくとした関係だったが、少しずつお互いに歩み寄る。
でも、結局は何処にも行き着くことはない。何かを手にしたわけでもない。
春樹はこういう喪失感を感じさせるのが本当に上手い。

久し振りに読み返して、「僕」が俺と同じ21歳ということに気付いた。
それも、後数ヶ月すれば俺が年上になるんだが、誕生日を迎えるまでに読み返せて良かったと思う。
初めて読んだのは高校生の頃で、読後どう感じたのか覚えてないけど、今読んだ方がずっと“しっくり”くる。
多分、切なさを楽しいと、上手く感じることが出来るようになったからだろう。
幸か不幸か分からないけども。
EDIT  |  19:22 |  村上春樹  | Top↑
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